風車ギヤボックス用軸受の白色組織はく離

摘要

風車のギヤボックスで使用されている転がり軸受では，早期に破損してしまう場合があり．その主な破損形態の一つとして組織変化を伴うはく離がある．この組織変化を伴うはく離は，はく離部断面の組織変化部がエッチング後に白く見えることから，白色組織はく離やWhite etching crackと呼ばれている．風車のギヤボックス用軸受の信頼性を向上させるためには，この白色組織はく離のメカニズムを解明することが重要である．転がり軸受のはく離は，一般的には内部起点型はく離と表面起点型はく離に分類される．内部起点型はく離とは，鋼中の非金属介在物を起点に起こるはく離であり，表面起点型はく離とは，潤滑状態が悪い場合や潤滑油中に異物が混入した場合に表面を起点として起こるはく離である．