ベルトCVT用長寿命軸受「ベルトップ軸受」

摘要

金属ベルトCVT（以下，ベルトCVT）と従来のトランスミッション(MT, AT)との最も大きな違いは，エンジンからの動力を金属製ベルトを介して入力側プーリから出力側プーリに伝達する構造にある．プーリ軸を支持する軸受はベルトCVT特有の要求に応えるため，特殊仕様の設計になっているものが多い．軸受の使用条件も従来のトランスミッションと異なることから，従来のトランスミッションでは経験したことがない軸受の損傷が発生することがあった．それは，写真1に示すような白色組織変化や微細なき裂を伴う早期はく離である．NSKは，このような早期はく離が水素を主要因とする水素起因はく離であることを明らかにし，さらにそのメカニズムにもとづき，長寿命プーリ支持軸受·ベルトップ軸受（写真2）を開発した．以下にその特長，性能について紹介する．