小児の右下腹部痛

摘要

日常診療において，右下腹部痛を主訴に来院す る小児患者は多い.その原因疾患の代表は急性 虫垂炎であるが，その他にも鑑別すべき疾患が存 在し，年齢ごとの好発する疾患を念頭に置きながら， 診断することが大切である.外科的治療を必要と する急性虫垂炎と鑑別を要する他の疾患の臨床 所見は非特異的であることが多い.画像診断検査 の主たる目的は，急性虫垂炎の診断およびその鑑 別にある.小児領域において主軸となる画像診断 検査は，超音波検査(us)であり，必要に応じて CTまたはMRI,消化管造影検査などが考慮され る.USは，小児に有用であることは周知されている. しかし，検者の技量に依存しており，施設ごとの体 制によって夜間に施行しづらい環境などもある.