がhの疫学と予防の基礎知識と 情報の探し方を教えてください

摘要

情報を正しく解釈するためには，統計疫学指標の定義を確認する必要がある．集団寄与危険割合は各要因を足していくと100%以上になる．統計，疫学は進化していくため，最新の情報のありかを知っておく必要がある．がh疫学は現在移行期にある．2017年4月現在， わが国においては全数捕捉によるがhの発生数の 統計は存在していない．2014年のがh罹患数(発 生数)は約85万人と言われる力气これはあくまで推 計値であり，推計に伴うさまざまな前提に依拠した 数字である．このような状況を改善するべく， 2013 年12月にがh登録の推進に関する法律が制定さ れ，2016年1月以降に診断された悪性腫瘍につ いては病院に対して届出が義務化された．届出の 締め切りは診断年の翌年末であるため，最初の締 め切りは2017年末，集計が2018年末には予定さ れている．そうすると，現在の推定方法の正確性に よっては罹患統計が変化する可能性がある．現在 はそのような時期にあり，本稿でがhの具体的な発 生数を論じても数年後にはまた状況が変わっている と考えられる．「人に魚を与えれば，一日の食料にな るだけだが，人に釣りを教えれば一生の食料となる」 と言う老子の教えもある．そのため，本稿ではむし ろ統計を読むための基礎知識や用語，そして継続 的に情報をアップデートするための情報源について 概説したい．