サルコイドーシス

摘要

サルコィドーシスは類上皮細胞肉芽腫の形成 を特徴とする全身性疾患であり，さまざまな臓 器で「多彩」な臨床所見を呈し，「多様」な臨 床経過を示す.その多彩性と多様性のために治 療薬の使用方法を標準化することが難しい疾患 である.国際的にサルコィド一シスの診療ガイドライ ンとなりうるものには，American Thoracic Society European Respiratory Society World Association Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorder (ATS/ERS WASOG)の合同ス テ一トメント（1999)があるが，ステロイド薬 の使用方法は「今後の研究課題であって，未だ 明らかになっていない」とされているのが現状 である.わが国の治療に関する方針として「サ ルコィド一シス治療に関する見解2003」が策 定され10年以上が経過したため最近の知見を 踏まえて改訂作業に取りかかっている.