下垂体疾患プロラクチノーマ

摘要

下垂体腺腫の約30%を占め，ホルモン産生腫瘍のなかで最も多い疾患である.生殖年齢層の女性に多く発症し，深刻な性腺機能低下，不妊をきたす.第1次治療は薬物療法で，安価，強力で，副作用の少ない力べルゴリンが用いられる.力べルゴリン治療により，高PRL血症性不妊症の回復，そして腫瘍の消滅(治癒)も大いに期待できるようになりつつある.病歴 8年前より老舗デパートに勤務し，27歳より婦人服の仕入れ担当主任となつた.25歳で結婚したが妊娠歴はない.27歳頃から月経不順となったが，仕事が不規則かつ超多忙なためと思っていた.しかし，3力月前から無月経となったため，某婦人科を受診した.妊娠反応は陰性で，子宮?卵巣に異常はなかったが，ホルモン検査で高プロラクチン血症を指摘され，当院高血圧?内分泌内科を紹介受診した.