脳静脈血栓症

摘要

脳静脈血栓症(cerebral venous thrombosis ： CVT)は脳皮質静脈ないし静脈洞に血栓が形成 され，静脈還流障害をきたす疾患である.その 病態は静脈洞または大きな静脈閉塞による血流 うつ滞に伴う頭蓋内圧亢進状態と静脈の閉塞に 伴う局所の血流障害による出血す生梗塞である. CVTの頻度は全脳卒中の0.5-1.0%であるが， CVTを疑わないと診断できない疾患であるた め，日常診療でよく遭遇する頭痛，痙攣，意識 障害，脳卒中の鑑別にCVTを常に念頭に置いておく必要がある.