睡眠呼吸障害と高血圧·脂質異常·動脈硬化

摘要

重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群（OSAS）患者の血圧概日リズムは，健常者でみられる睡眠時の自然降圧がみられず,早朝にかけての血圧上昇や，睡眠中の血圧降下の欠如（non-dipper 型）を示すことが多い.OSAS患者における高血圧症の合併は生命予後に影響する.持続気道陽圧（CPAP）療法は睡眠呼吸障害の改善のみならず，合併症および睡眠構築の改善をもたらし，その結果，患者のQOLは向上する.OSASの低酸素血症は酸化ス卜レスの発生と関係し,血管内皮機能の低下をもたらし, 動脈硬化を促進し，心血管ィベン卜の発症リスクとなる.