関節リウマチの診断と治療

摘要

関節リゥマチ(Rheumatoid Arthritis; RA)は全身の関節滑膜を主座とする慢性炎症性自己免疫疾患で 関節破壊に伴う身体障害のためADLが著しく低下 する疾患であり，本邦では約70万人程度の患者数 があると推定されている。1990年代以降に世界中 で精力的に分子生物学的手法を用いた病態解明研 究が行なわれ，その成果に基づいた治療法の開発 臨床応用が進み，現在では関節破壊が生じる前に 早期治療介入することで寛解治癒が現実の治療目 標となってきた。早期治療介入にはRAを早期に診 断する必要があり，その目的で2010アメリカリウ マチ学会(American College of Rhumatology: ACR) とョ 一口ッノリウマチ学会(European League Against Rheumatism: EULAR)によりRA新分類基 pが策定された。本稿では医学の進歩に伴い 激変するRAの診断，治療戦略につき概説する。