島津製3D PETの散乱補正·吸収補正の定量評価

摘要

島津製PET装置(Eminenceシリーズ)は,高感度3Dエミッション連続収集と~(137)Cs線源を用いたトランスミッション収集を同時に行うことを特徴とするクリニカルPETである.今回われわれは,散乱補正および吸収補正の精度向上を目的として,HybridDualEnergywindow (HDE)散乱補正法およびセグメンテーション吸収補正法を開発し,実装評価した.HDE散乱補正法は,被写体サイズの違いや視野外放射能の存在で変化する散乱成分に対しても,高い補正効果を得ることができる,またセグメンテーション吸収補正法は,被写体でのトランスミッション散乱成分やェミッション·コンタミネーション補正後の残留誤差に起因する若干の吸収係数値の変動を抑制することが可能である.本手法について,吸収係数値の放射能依存性,位置依存性,エミッション画像の被写体サイズの違いによる断面内均一性および視野外放射能存在下での体軸方向均一性を評価した.その結果,HDE散乱補正法とセグメンテーション吸収補正法を組み合わせて適用することで,高い定量位が確保できることが示された.