ANCA関連血管炎性中耳炎に合併した顔面神経麻痺の3例

摘要

ANCA関連血管炎には、顕f敫鏡的多^血管炎（MPA)、多 発血管炎性肉芽腫症（GPA)(かってのWegener肉芽腫症）、 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EPGA)(チヤ一グ·ストラ ウス症候群）の3疾患がある。これらの中には難治性中耳炎、 進行性の感音難聴を初発症状とするものがあり、2012年の日 本耳科学会のシンポジゥムにてANCA関連血管炎性中耳炎 (Otitis Media with ANCA-Associated Vasculitis ： OMAAV) が提唱された。これと同時に診断基準も提案され、2013年に 修正案が示されている（表1)。OMAAVの問題は、診断ま でに時間がかかり適切な治療がされないまま感音難聴が進行 したり、急速に多臓器の病変が進行し致死的な状態にまで陥 ることがあるという点にある。よって、できるだけ早期に診 断をつけ治療を開始することが何より重要である。