人工衛星へ軌道上補給：ロボティクス技術で軌道上衛星サービスの事業化を目指す

摘要

株式会社IHIエアロスペースはこれまでに実績のある宇宙ビジネスすなわち機構系や推進系にロボティクス制御技術を加えて，軌道上の人工衛星への推進薬補給や部品交換サービス·ビジネスを検討している．従来，人工衛星の寿命は推進薬の容量や部品の寿命によって決まっていた．近年，運用コスト削減の動きに伴い寿命延長へのニーズが高まっている．軌道上衛星サービスとは，寿命の尽きかけた衛星に対して，寿命延長のためのサービスを行うビジネスである．主に推進薬の補給や，部品の交換などを行うことで衛星の寿命を延長する．このサービスを利用することで，衛星オーナーは衛星の利用期間の延長が可能となり，衛星利用により得られる利益の拡大や，衛星置き換えコストの低減などの恩恵を受けられる．