Okayama, Japan：アートを介し、次代の人づくりを目指す「岡山芸術交流2016」

摘要

現代美術の作品をまとめて見せる地域の芸術祭。2016年秋も全国各地でさまざまな試みが行われた。そのなかで初開催ながら異彩を放ったのが岡山の市街地で展開された岡山芸術交流だ。「Development（開発）」をテーマに16カ国31組の作家が競ったイベントは、コンセプチュアルアートという難解な作品が集う構成にもかかわらず、17万人という目標来場者数を大幅に上回る動員を記録し、11月27日に閉幕した。主要会場となったのは、岡山城や旧後楽館高校天神校舎、前川國男設計の林原美術館など8カ所。端から端まで歩いてもわずか15分というコンパクトなロケーションで、コアなアートファン以外の層の取り込みにも成功した。会期中、街ゆく人たちが自然と足を止め、作品と向き合う光景が数多く見られたのが印象的だ。また、駐車場や建物の外壁など見慣れた場に現代美術という異質なものを挿入し、見る者の感覚や思考を揺さぶる体験を狙った作品も目立った。も、3年後の次回開催が楽しみだ。