就学前後の小児の自動ABR(MB11 BERAphone)による聴覚スクリーニングの可能性について

摘要

新生児聴覚スクリーニング（以下、新スク）が普及し、先天性難聴児を可及的早期に究見 診断する手段はほぼ確立された。しかし、進行性あるいは後究性難聴の発見は、従来の乳幼 児健診などで対処されており、成果もみられるものの十分とはいえない。具体的な課題 として、（1)新スクをパスした児は生下時に聴力正常範固だったため、難聴発症時期にも よるが基本的に聴性行動の発達がみられ、発症自体を推測することが極めて困難であること、（2)新生児期以降、器械により明確にスクリーニングできる聴覚検診は就学前まで無 いこと、があげられる。今回我々は、就学前後の聴力正常児と難聴児に対して、MAICO社 製MB11 BERAphone以下、MB11と略）を用いた聴覚スクリーニングと聴力検査を行い、スクリーニング器機としてのその信頼性を検討したので報告する。