耳鳴のバイォマーカーとしての脳由来神経栄養因子(BDNF ； Brain-derived neurotrophic factor)の有用性治療前後の変化について

摘要

大ぅつ病や不安障害は慢性の重症耳鳴患者においては最も高率に発症しその割合は60% 以上といわれている。耳鳴の重症度や耳鳴に関連した苦痛は抑うつと関連していることが示 されている。一般に自覚的な耳鳴は、身体的な特徴がなく、その重症度を測定する客観的検 査も存在しない。現在は患者の訴えのみが臨床的評価の基準となっている。そのため耳鳴を 客観的に評価するツールを開発することは非常に重要である。The tinnitus handicap inventory (THI)は耳鳴によって生じた障害を測定するのに最適な質問紙である。THIはさまざま な研究で広く用いられておりその使用が推奨されている。Brain-derived neurotrophic factor (BDNF)(脳由来神経栄養因子）はニューロトロピンファミリ一に属する成長因子であり、NGF "nei-ve growth factor"とも関連が深い。