『海の人類史一東南アジア?オセアニア海域の考古学』[増補改訂版]環太平洋文明叢書5

摘要

「海の人類史とは何だろうか?」冒頭で著者自身が自問自答している言葉である。本書は,東南アジア?オセアニア海域における考古学の最先端成果の紹介を中心としっっも,人類の誕生から進化の過程,世界ヘと拡散した軌跡を,「海洋適応」という視点から再構築しょうと試みたものである。著者は言う,海の人類史とは「人類誕生後,私たちがどのょうに海と出会い,海洋適応を進めてきたのかにっいて,人類史という長期的視点から検討」したものであると。我々日本人が広大な海域と島嶼からなる複雑な東南アジア,オセアニアの人類史を知ることは難しい。しかし,最先端研究成果が散りばめられた本書にょってその理解が一気に進むことは間違いない。