皮膚科学研究の最新動向と,これからの化粧品開発に求められる研究戦略

摘要

皮膚科学研究の対象領域は，皮膚ガンや乾癖，アト ピー性皮膚炎といったいわゆる皮膚疾患に対する研究だ けでなく，美容上の悩みへの対処を目的とした研究など 幅広い研究領域である。美容上の二大肌悩みは，「色素 沈着」，皮膚の「色調の変化」が原因で発生する「シミ， くすみ」，そして皮膚の「形態的な変化」が原因で発生 する「シワ，たるみ」に大別され，加齢による影響が大 きい「シワ，たるみ」は，特にエイジングカテゴリに分 類されている。近年のスキンケア市場に占めるアンチエ イジングスキンケア出荷額の割合は3割を超えており注目度が非常に高い市場へと成長している。