口周囲に限局した異常感覚(isolated oral- syndrome)を呈した視床ラクナ梗塞の1例

摘要

く症例〉64歳,女性 主訴左口角周囲のしびれ 既往歴特記事項なし現病歴200X年9月1日午後から左口角周囲のしび れが出現した。手足には出現しなかった。夕方になって も症状が持続したため，当院を受診した（第1病日）。入院時所見意識清明。失見当識なし。脳神経系に異 常なし。運動系では，四肢のBarre徴候は陰性で，深部 腱反射も正常であった。感覚系では，下口唇に優位な左 口角周囲の感覚過敏を認めた。四肢の表在感覚障害，深部感覚障害は認めなかった。 入院時検査所見血液検査では，総コレステロール304 mg/dL,中性脂肪83 mg/dL, HDL 63 mg/dLs LDL 213 mg/dLと脂質異常症を認めた。頸動脈超音波 検査と経胸壁心臓超音波検査では，異常所見を認めな かった。