転ばぬ先のノイズ対策〈第2回〉：電流プローブを作る

摘要

前回，EMCの七つ道具の筆頭に挙げた電流プローブは，ディファレンシャル·モード電流だけでなく，コモン．モード電流も測定することができ，ノイズ対策には欠くことのできない道具です．これは，市販品でなくても，自作で立派な機能と性能の物が作れます．これから作る電流プローブは，ドーナツ状のフェライト·コアによる閉磁路の中に，平衡型ループ·アンテナと被測定線路を置いて，線路から発生する磁界をループ·アンテナで受ける構造（図2－1）です．構造は単純ですが，同一閉磁路の中で磁界の授受（測定）が行われるため，線路とアンテナの相対位置が若干変化しても，測定値にはさほど影響が生じないというメリットがあります．