オープン·アーキテクチャで世界に広がる - 組込みOS TRONの現状と展望

摘要

TRON（The Real-time Operating system Nucleus）プロジェクトは，すべての技術情報が公開され利用することができるというオープン哲学に基づいて作られた組込み用リアルタイム·アーキテクチャ開発プロジェクトで，1984年に発足しました．開発は，INIAD（東洋大学情報連携学部）学部長の坂村健会長を中心として，産学協同で進められています．TRONプロジェクトの成果であるITRONやT-Kernelは，ディジタル·カメラや携帯電話などの民生分野の製品から，自動車のエンジン制御，工場内の機械制御といった産業分野，さらにはロケットや「はやぶさ2」まで，さまざまな分野の組込みシステムに世界中で幅広く利用されています．