差動伝送のメカニズムと伝送線路の評価術－100 Mbps超の高速信号も確実に伝えるテクニック：第1回 信号の伝わり方同相モードと差動モードに分けて考える

摘要

近年は，アナログ信号，ディジタル信号を問わず，信号伝送注1の手法として「差動伝送」が多用されています．これは差動伝送は高速な信号を安定に伝送できるからです．高速化·シリアル化が進む近年の信号伝送のコモンセンスといえるのではないでしょうか．古くから高信頼性シリアル伝送のRS-422やRS-485などでも差動伝送が活用されています．本稿では3回にわけて，シングルエンド伝送との違いや，差動伝送での信号の伝わり方，差動伝送線路のようす，正しい測り方などを説明していきます．どのように差動伝送を考え，取り扱えばよいかが分かります．ちょっと難しそうな差動伝送も，実は単純な回路計算から考え方を延長したもの，そしていくつかの考え方を足し合わせたもの，ということが分かります．