最新アナログICの要！CMOSトランジスタ技術入門：ゼロ·ドリフトCMOS OPアンプのしくみと特性

摘要

一般的なCMOS OPアンプはバイアス電流が小さく,インピーダンスが高いセンサの信号を受けたり微小電流を大きな振幅の電圧に変換したり，といった用途に大変便利です．しかしバイポーラOPアンプに比べると，オフセットやオフセットドリフト，電圧ノイズ（特に周波数が低くなるほど大きくなる1/fノイズ）が大きいというデメリットがありました．それらのデメリットを解消したゼロ·ドリフト·タイブのOPアンプが存在します．オフセットドリフトと1/fノイズはどちらも入力回路の誤差なので，ゼロ·ドリフトOPアンプはどちらも消えてしまいます．そのかわりオフセットを除却するための回路やスイッチング動作から，いろいろなノイズが発生します．最新のゼロ·ドリフトCMOS OPアンプは，オフセット除却回路が発生するノイズが小さく抑えられ，より理想に近付いたOPアンプとなっています．