RF回路設計ワンランク·アップ（後編）：フリーの高周波シミュレータAnsoft Designer SV試用レポート

摘要

前編では，電気信号の伝わり方と反射，特性インピーダンスといった基礎的な事柄について解説しました．本編では，プロの高周波回路設計手法の一部である，シミュレータを使った高周波（RF: Radio Frequency）回路設計の一端を紹介します．世界的に，高周波回路設計のプロに使われている高機能高周波解析ソフトウェアとしては，アジレント·テクノロジーのADSやAWR社のMicrowaveOffice，アンソフトのAnsoft Designerなどが知られています．ここでは，無料でダウンロードでき，ある程度の設計も行えるAnsoft Designer SVを使って高周波回路設計の手順を示します．シミュレータだけで高周波の回路設計がすべてカバーできるわけではなく，実回路で確認する必要がありますが，うまく活用することで完成度の高い回路設計を効率的に行えます．シミュレータを使ったトランジスタ·アンプの設計については端末の参考文献（2），（5）などを参考にしてください．