高性能アナログ搭載マイコンの世界へ－第I部開発＆設計 導入編：mspgcc環境の構築と操作概要－出力コード·サイズ無制限のフリーCコンパイラ

摘要

MSP430には，IAR Embedded Workbench KickStart for MSP430以外に，いくつかの開発環境が提供されています．そのなかから，GCC toolchain for MSP430 (mspgcc)について簡単に紹介します．もう少し詳しい説明は，CD-ROMに収録されています．KickStart版のEW430では，出力するコードの大きさが4Kバイトまでに制限されており，大規模なプログラムの開発を行うことができませh．一方，フリーのCコンパイラであるGNU GCCをMSP430用に移植したmspgccが公開されており，最新版がCD-ROMにも収録されています．mspgccでは出力するコードの大きさの制限がありませh．また，基になったGCCはMSP430だけでなくさまざまなCPU向けに移植され，Linuxや商用ソフトウェアの開発に幅広く用いられており，十分な実績があります．ただしmspgccは，EW430のようなGUIを用いた統合開発環境ではなく，ある意味昔ながらの，コマンドラインの操作で開発を進めることになります．