会社役員の後見開始による許可取消は実質的には違法－社長が一人株主の場合に、その社長が成年被後見人となったとき、会社はどう対処すればよいか－

摘要

前号に続き本誌姉妹紙の「循環経 済新聞」（2016年7月11日号）の 「ダイジェスト:北から南から」の 記事を再度取り上げる。 産業廃棄物収集運搬業の許可を持 つ会社において、役員の一人が家庭 裁判所で、およそ2年前に成年被後 見人の審判を受けたが、成年被後見 人が欠格事由であることも知らな かったし、会社には他にも数名の役 員が居たため産業廃棄物収集運搬の 営業には支障もなかったので、その まま営業を続けていたところ、本年 5月に成年被後見人の役員が居るこ とがA県に知られてしまい、A県で 許可が取消されたこと、そうして、この許可取消処分を知ったB県も収集運搬業の許可を取消したという事案である。