「競争力の構築」へ向け、第一歩を/07年度の鉄骨需要量は改正建基法の影響で25年ぶりの650万トン割れ

摘要

改正建築基準法施行からまもなく1年を迎える中、2007年度の建築着工統計が4月30日、国土交通省から発表された。 この統計を基に推定鉄骨需要量を算出すると、対前期比で12.3%減の642.5万トン、昨年に比べて約91万トンの減少である。 しかし、この数字には誰もが驚くよりは「予想通り」と領かざるを得なかった。 それほど改正建築基準法施行による混乱と影響は大きく、経済的損失には計り知れないものがある。 しかし、鉄骨需要が年間で700万トン台割れは4年ぶりとなるものの、650万トンを下回るのは25年ぶりという異常な事態であることに変わりはない。しかも同法が施行される前まで、建築鉄骨業界は大型再開発プロジェクトが全国規模に広がり、それまで不活発な中低層ビルの建替えや大型店舗·工場など民間投資が鉄骨業界を後押しし、まさに建設ラッシュであった。 バブル経済破綻後の長く苦しい「空白の時代」を埋め、健全な価格体系による受発注システムや「競争力の構築」、会社発展の礎を築くための絶好の経済環境でもあった。