(J014)Ti-Al-Zr-Mo-Nb-Si 合金のクリープ特性

摘要

Ti 合金は鋼に比べ比強度（引張強さ/密度）に優れるといった特徴を有するため，航空機用途を中心に合金開発が行われているが，近年では機体の軽量化やエンジンの高効率のためさらに過酷な高温環境に耐えうる耐熱合金の開発が望まれている．耐熱Ti 合金としては，1970 年代前半に米国で工業化されたTi-6Al-2Sn-4Zr-2Mo-0.1Si（Ti-6242S）合金が有名である[1]．この合金は，α 安定化元素であるAl（6wt%）にクリープ特性向上のためにSn，Zr，Si を適量添加し，さらに引張特性と疲労特性を向上させるためにβ 安定化元素であるMo を2wt%添加したニアα ?Ti 合金である．これに対し，本研究ではα 安定化元素であるAl（8.5wt%）にクリープ特性向上のためにZr，Si を添加し，さらに引張特性と疲労特性の向上のためβ 安定化元素であるMo とNb（酸化特性も含む）を添加したTi 合金を作製し，そのクリープ特性を調査した結果について報告する．