NaCl-ZnCl_22元系状態図の熱力学的再評価

摘要

重金属を含有したオキシクロライドは、廃棄物の高温処理においてしばしば生成するが、その成因や挙動を解明する上で必要な物理化学的知見はほとhど得られていない。 前報で佐々木らは、都市ごみのガス化溶融処理における2次飛灰の基本系であるNaCl-KCl-ZnCl_2－ZnO系の相平衡を推定した。 しかし、その際に基礎となるNaCl-ZnCl_2、KCl-ZnCl_22元系の熱力学的情報が極めて乏しいため、精度の高い評価を行うためには、これらターミナル2元系の熱力学的知見が不可欠であることを指摘した。 そこで本研究では、NaCl-ZnCl_2系に存在する化合物相2NaCl·ZnCl_2の標準生成自由エネルギーを実測すると共に、得られたデータを基にNaCl-ZnCl_2系状態図の再評価を行った。