天バインダーを用いたSr フェライト磁性粉末の配向成形

摘要

異方性磁石の一般的な作製法は、磁界配向プレス機を用いて磁界配向中に成形を行う方法である。しか し、この方法ではプレス機に組み込まれた磁極の間に金型を配置するため、成形体の形状寸法や磁界発生 装置に制約がある。そこで、講演者らは成形後に配向を行う新しい方法について検討を行ってきた。具体 的には、小物で複雑な形状の部品を作製するためのプロセスとして用いられている慣用のMIM(Metal Injection Molding)ではMIMバインダーは成形助剤であるが、MIMバインダーを機能的に用いて異方性磁性 粉末の磁界配向の促進手段として適用した1,2)。今回はMIMバインダーの代替として寒天バインダーを用いて 磁界配向する場合について述べる。寒天を用いるとMIMバインダーよりも低温で加工することができ、脱バ インダー時間も短縮できる長所がある。