耐性菌感染症に対する対応耐性菌用抗菌薬の特徴と開発の動向　その他の抗菌薬(リネゾリド,キヌプリスチン/グルホプリスチン,グリシルサイクリンなど)

摘要

リネゾリドはオキサゾリジノン系抗菌薬であり,その基本構造をに示す.この系統の抗菌薬は抗菌薬耐性菌を含むグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示すが,グラム陰性菌に対しては抗菌括性が認められない.この系統抗菌薬の作用機序は従来の抗菌薬と違い, 50Sリボソームに結合することにより, 50Sと30Sリボソームの複合体形成(70Sリボソーム)を阻止する.その結果,細菌細胞の蛋白合成が限害され,抗菌作用を示し,その作用は静菌的である.ただし,その作用の特異性から,他の蛋白合成阻害薬との間に交差耐性は生じないといわれている.