好酸球増加症候群 好酸球性食道炎一小児と成人を含めて一

摘要

消化管にのみ多数の好酸球の浸潤が起こり，それに伴って消化管の傷害と機能障害が起こり消化器症状が出現する病態を好酸球性消化管疾患(eosinophilic gastrointestinal iseases:EGIDs)と総称している.この中で食道粘膜に胃食道逆流症や寄生虫疾患などの好酸球浸潤の原因となる病態がないにもかかわらず病的な好酸球の浸潤が起り，これが原因となって嚥下障害などの食道症状が出現する病態を好酸球性食道炎と呼hでいる.1980年代に初めてまとまつた症例の報告がなされた比較的新しい疾患概念で，態の解析が最近急速に進hでいる. 本疾患は嚥下障害症状のためにhealth re-lated quality of life (HRQOL)の低下を起こしゃすく，た長期炎症が持続すると食道の狭窄を起こし拡張術が必要となりうるため厚生労働省の指定難病の一つに選定されている.