抗悪性腫瘍薬,免疫抑制薬によるHBV再活性化とその対応

摘要

肝機能正常の非活動性B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアに,悪性腫瘍に対する化学療法薬や免疫抑制薬を使用する際には，肝炎の発症に注意する必要がある.これらの薬剤の使用中または使用後にHBVが再活性化し，肝炎が起こりうるからである.HBV再活性化による肝炎は重症化しやすいだけでなく，原疾患に対する治療の中断を招くので，その予防が重要である.本稿では厚生労働省研究班によるガイドラインに則してHBV再活性化対策を述べる.