鋳巣対策用特殊ダイカスト法における金型寿命向上技術

摘要

ダイカストは、日本において本格的に生産が開始されてから半世紀、順調に生産を増加し続けてきた。 その理由は生産性の良さ、寸法精度の良さからであり、多くの産業分野でその優位性を継続して認められているからである。 しかし、ダイカストは高圧·高速充填という製法から空気の巻込みによる鋳巣が発生する。 したがって、ダイカストは熱処理や溶接ができず、また、機械的強度に対する信頼性に欠けるものとされてきた。 それら不具合に対する対策として、多くの技術的対応がなされてきた。それらの技術の中に特殊ダイカスト法と言われているものがある。 これまで、特殊ダイカスト法については、その方法、目的、効果などの報告は数多くなされているが、金型寿命について報告された例はほとhどない。本稿では金型寿命に焦点を絞り、特殊ダイカスト法に対する金型設計および金型材料選定についての考え方を考察し、報告する。