ダイカスト金型材料·熱処理·表面処理の最新状況：ダイカスト金型損傷に及ぼす金型材料と熱処理の影響

摘要

ダイカスト金型の損傷には、①熱応力·熱疲労などの熱的作用に起因するヒートチェック、型割れ、②金型と溶湯の反応などの化学的作用に起因する焼付き、溶損、肌荒れ、③摩耗や応力変形などの機械的作用に起因するかじり、へたりがある。 その金型寿命の原因はヒートチェックが約80％と最も多く、次いで溶損、割れ、摩耗、肌荒れの順とされる。 ダイカスト金型で発生する早期割れは大きな問題であり、水冷孔からの型割れが26％、キャビティコーナーR部からの割れが31.5％である（図1参照）。 近年のダイカスト製品の傾向として、製品の軽量化と小型化、同時に高能率生産が指向されている。 それに伴い、金型の形状が複雑化しているため、金型肩部コーナーRが小さくなる傾向にある。 金型肩部のコーナーRから割れが早期に発生するが、コーナーR部の問題か、冷却孔からの割れが問題であるかわからず、対策が遅れ、トラブルになることが多い。