マイクロモールディング用超小型成形システム

摘要

射出成形機は「大は小を兼ねない」機械であるが，保有する設備により大きな機械で小さな成形品を成形（生産）するケースが実は多い．つまり「大は小を兼ねた」格好になっている．しかし，ことにワンショット重量が数10mgという微小品成形Jこおいては，「大は小を兼ね皐」ことは，まず不可能といっても過言ではない.仮に最大射出体積が10cm{sup}3を有する射出成形機（Φ16スクリュー相当）にてワンシ．ヨット0.5 gの成形を行う場合，射出体積比率は5％となり安定成形を実魂するには，いささかバランスの悪い機械選定である．また近年，刻々と変化する市場ニーズと同期するように，各種製品寿命が短くなり，新製品が発表されるたびに，高機能化·軽量化·小型化·短納期化が進み，また，製品の種類も多くなり，低コスト化も図られている．当然，それを構成するプラスチック射出成形品も同じ要求にさらされ，それを実現するための射出成形システムは，大きな成形機（高価）で多勢個取り金型（高価）によるマスプロ的生産形態ではなく，1個もしくは2個取り程度の金型（安価）で小さな成形機（高性能）による「多品種少量」生産形態になりつつある．また，成形品の小型化が進む中，既存の成形機では成形困難な成形品も増加している．