金型づくりのグローバル化に貢献する技術革新

摘要

わが国の高度成長時代、より良いモノをより安く大量に供給するツールとして、モノづくりの基盤を支えてきた日本の金型産業は、1991年の生産額1兆9，575 億円（工業統計より）をピークとして、2000年以降は、世界経済のめまぐるしい変遷の中、振興国を拠点とするモノづくりの現地化志向、日系製造業の海外シフトなどの影響を受け、依然として厳しい状況に対峙している。機械統計によれば、金型生産額は、1997 年の5，068億円（1991年の5，441億円を100とした場合、93.1％）、2006年の4，880億円（同、89.7％）と回復の兆しをみせていたが、2009年のリーマン·ショックの影響により、3，159億円（同、58.1％）となる大幅な落ち込みとなった（図1）。2011年は東日本大震災の影響があったものの、2012年の1月から9月現在までの累計生産額2，558億円は前年対比で10.5％とゆるやかな伸びを示しているが（主要のプラスチック型での同対比5.0％、プレス型での同対比4.4％）、とても回復したとは言えない水準である。