実務者のためのプラステック精密成形用金型の展望

摘要

例えば、プレハードン鋼に携帯電話用金型のような凹凸のある自由曲面をΦ0.6のcBNボールエンドミルを仕上げ切削するのに、高橋らは1枚刃（逃げ角は大、刃先角は小、センター逃がしは0.015～0.020mm）のものを使った。 2枚刃ではチゼルが残るので、平面部の仕上げ切削ではムシレを生じるため、1枚刃を用いたとしている。 多刃が集合するチゼル部の形状設計とその忠実な実現にツールメーカーは気をつかつている。2枚刃の場合でも両方の切刃の峰がきちhと整列することが重要である。 荒加工と仕上げ加工に共用することも視野に入れて、切削効率を考えると、当然、2枚刃のツールより刃数が多く、剛性のある3枚刃を選ぶのがよい。 しかし、超精密仕上げ切削や複雑な3次元切削、切りくずが排出しにくい閉鎖部分を加工する場合には、一般に2枚刃の方がよいと考えられている。