先天性アンチトロンビンm欠乏症を合併した膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)の2回の周術期管理

摘要

先天性アンチトロンビンm (antithrombin ffl ： ATEI)欠乏症"は，血液凝固抑制機能の低下により反復性の血栓形成を認める常染色体優性遺伝疾患である。今回，ATffl欠乏症を合併した膀胱fl重瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術（transurethral resection of bladder tumor ： TUR-Bt)の2回の周術期管理を経験したので報告する。既往歴：孫が先天性ATffl欠乏症が原因の脳障害を発症し，その家族調査から先天性ATffl欠乏症と診断された。45歳時より高血圧，55歳時より糖尿病，60歳時より労作性狭心症を指摘され， 塩酸べニジピン4 mg,グリメピリド2 mg,ァスピリン.ダイアルミネート81mgを内服している。66歳時に下肢の深部静脈血栓（deep vein thrombosis ： DVT)を発症した。68歳時に局所麻酔下に右白内障の手術を施行した。