円錐パンチを用いたフランジ付き多段絞り容器角部の増肉成形

摘要

スチールホイールディスクの強度を向上させるために，取付け面角部の肉厚を増加させる円錐パンチによる増肉プレス成形法を提案した．3段増肉成形を有限要素シミュレーションと実験によって検討し，取付け面角部の増肉に対して最適な条件を求め，次のような結果を得た．1) 2段成形で絞られたフランジ部付き円錐底容器が，3段目において外側パンチで円錐底と側壁を圧縮することにより，取付け面角部を増肉できた．2)各2段後の絞り体積において，2段目までの肉厚減少と3段目での肉厚増加により取付け面角部の増肉を最大にする円錐パンチ角度が存在した．3)最大成形荷重は2段後の絞り体積とともに増加した．4)θ＝25°の円錐パンチでは，θ=0°である平坦なパンチと比較して，最大増肉は約9％とほぼ同じであるが，最大成形荷重を30％程度低減することができた．