実機規模知能圧延機による圧延荷重分布のリアルタイム推定·制御機能の検証－新型式知能圧延機の開発 第2報

摘要

圧延機後面の形状検出装置の出力に依存する従来の形状制御システムの問題点を克服するため，圧延機自身が形状検出機能を有する新型式知能圧延機（NIM: NSC Intelligent Mill）を開発している．前報において，知能圧延機（NIMと略記する）の基本コンセプトを提案し，数値シミュレーションによって実機規模の圧延機における形状検出機能の実現性を確認した上で，直径80mmのワークロール，胴長68mmの分割バックアップロールを7個有するラボ規模のMMパイロットミルを製作して実験的検証を実施した．その結果，知能圧延機は，強力な形状制御機能を有し，板形状のリアルタイム推定機能に加えて，形状不感帯領域における圧延板の残留応力検出機能も有することが確認された．そこで本報告では，実機薄板ミル規模のプロトタイプミルおよびその形状制御システムを構築し，NIMの形状検出·制御特性について検討を行った．