西沢式「本物の5S」実践講座 第11回「本物の5S」によるムダとりで儲かる生産現場づくりを実現する

摘要

伊藤工場長は、生産現場にムダが発生していることが気になっている。毎日の生産現場巡回において、歩くムダ、モノ探しのムダ、生産ライン中断のムダなど、あちこちで目に付くようになった。さらに、最近では納期遅れが多発し、営業が不満を持っているのも事実だ。このようなムダを何とかして減らせないものかと考えた。ある本で読hだムダの把握法に、歩く歩数を把握するとよい、一歩は時間に換算して0.7秒であるという方法を使用することを思い出した。早速、吉田係長に組立ラインの作業者数名に万歩計を付け1日の歩数を把握するよう命じた。さらに、職場を離脱する回数を記録することも命じた。歩くムダとは、職場を離脱することを意味しているからだ。その結果は驚くべき数値であった。一日の平均歩数は約10，000歩、時間にして7，000秒になる。一日7時間は、25，200秒に換算されるので、一日の30%近くが歩くだけに使われていることになる。