鉄テルル系超電導体の超電導発生に赤ワインが有効

摘要

物質·材料研究機構は、鉄系超電導物質である鉄テルル系超電導体が超電導を発生する際、赤ワインやお酒が有効であると発見した。今後、原因となる物質を探ることで、新たな超電導体の開発に生かせるとみている。超電導と非超電導の間の性質を持つ、硫黄を少量添加した鉄テルル系超電導体を固相反応法と呼ばれる手法で作製した。この試料は超電導を示さないが、酒に浸して約70°Cに加温すると、翌日には超電導体（超電導を起こす温度が8K、Kは絶対温度、OKは－273°C）に変化することが分かった。赤ワイン、白ワイン、ビール、日本酒、ウイスキー、焼酎で実験したところ、すべての酒で超電導の発生に効果的だったが、最も効き目があったのが赤ワインだったという。