続·材料トラフル調査ファイル ファイル(17) ビル内装用発泡ポリウレタン製断熱材の異常膨れ

摘要

ポリウレタン(Polyurethane: PUR）は、ウレタン基を含む総称であり、ジイソシアネートとポリオールを原料として合成される主鎖にウレタン結合(－NH－CO－O－）をもつ重付加系（あるいは逐次重合）ポリマーである。 PURの歴史は、ほかのポリマーに比べて意外と古く、ドイツにてO. Byer らが繊維材料として開発したことに端を発し、現在までさまざまなPURが創り出されている。 これらは、ジイソシアネートとポリオールを出発原料とし、架橋剤や鎖延長剤の構造と配合比を種々変化、制御させることによって比較的容易に希望する物性を創り出すことができる。 そのため、医療用カテーテルやコンドームからモノレール"ゆりかもめ"のタイヤ、果てはスペースシャトルの液体水素燃料タンクの断熱材にまで、実にあらゆる分野で、さまざまな用途に多品種少量用ポリマーとして、特に"すきま産業用"として使用されている。