スーパー繊維事業の展開－高強度への挑戦·知財戦争－

摘要

ナイロンは脂肪族ポリアミドで、強い繊維である。より強い繊維はアミド結合に加え芳香族（ベンゼン環）を導入した全芳香族ポリアミド（アラミド）繊維が構造上単純で最強となる。このポリパラフェニレンテレフタルアミド（PPTA）は、溶融しないし溶剤もなく繊維化が不可能だった。この難題を解決したのは米デュポン社の女性研究者ステファーニー·クオレで、塩を含む溶剤（工業化では硫酸採択）に分散することを見出し、適切な濃度で液晶状態を発現させて紡糸する新手法を1965年に発明した。