シエール革命が米国化学産業にもたらす影響とわが国の対応

摘要

2007年ごろから，米国では頁岩（シエール）層からエタンなどの天然ガスを取り出す技術が実用化し，商業生産が本格化した。従来，埋蔵は確認されていたが取り出すことが不可能とされていた天然ガスが採取されるようになり，米国では想定外の追加的供給がもたらされた。シエールガスとともにシェールオイルも採掘されるようになり，米国の国内原油生産量が増加に転じている。これらはシエール革命と呼ばれる。今後，米国の天然ガスはシエールガスの増産によって順調に増加し，2040年にはその産出量の半分以上をシュールガスが占めるとみられている（図1）。