世界に広がる日本発のイノベーション

摘要

ナイロンやテフロンの発明をはじめとして様々なイノベーションを起こしてきたデュポンは,時代の変化を先取りしながら劇的な変貌を遂げている。当時一世界トップ10に入ってし、た石油会社のコノコを1998年に売却してエネルギー部門から撤退し,翌1999年には遺伝子組み換え種子メーカーのパイオニア·ハイブレッドを77億ドルで買収して植物バイオ分野へ本格参入した。2011年には機能性食品素材や工業用酵素などを手がけるデンマークのダニスコを63億ドルで買収,2013年は高機能化学品部門の分社化を決めた。過去と決別するような変革の一方で,デュポンには創業時からのコアバリューが脈々と受け継がれており,革新と伝統,そして自由闊達な社風が成長の原動力になっているようにみえる。日本法人の田中能之社長にデュポンの変化や長期戦略,日本での取り組みなどを聞いた。