石炭資源の魅力と可能性に住目

摘要

筆者が小学生の時には、学校の暖房は石炭ストーブであり、倉庫から石炭をバケツで運ぶことが日課であった。ところが、最近の30歳以下の学生は石炭というモノを見たことがない。そもそも石炭とは、どのような形をしているかさえも知らない。しかし、石炭は現在も主要なエネルギーである。日本では、総エネルギー消費量の4分の1は石炭によって賄われており、石炭は重要なエネルギー源となっている。特に、石炭は単位熱量当たりの価格が石油の5分の1程度と極めて安いことから、①熱源としての利用である火力発電用燃料、②石炭を蒸し焼きにしたコークスは、鉄鋼生産の還元剤、③石炭燃焼後の石炭灰（フライアッシュ）は、セメントの原料、として利用されており、石炭は21世紀に入った現在も重要なエネルギーである。