「10の提言」の意味するもの

摘要

産業構造審議会と総合資源エネルギー調査会のエネルギー環境合同会議が6月16日、中間取りまとめを「10の提言」として問題提起した。 「エネルギー基本計画」に沿い、地球温暖化推進大綱の評価·見直しを念頭に昨年12月から始まった長期エネルギー需給見通しの改定や地球環境問題など一連の検討結果を包括的·総合的に議論して、国民的な重要課題として提言している。 最近の中東情勢の変化、中国などの著しい経済成長、米国、欧州、ロシアの動向、国内の産業構造や人口構造の変化、燃料電池など新しい技術の出現、昨夏の関東圏の電力需給逼迫、地球温暖化を巡る動向など内外の構造変化に対応する国家戦略を模索するのが合同会議の大きな狙いであった。 総合エネ調の需給部会や省エネ部会、産構審の環境部会などの具体的議論を踏まえて、長期的なエネルギー環境戦略のあり方を提言しており、今後議論を深めるべき課題に注意を喚起している。新しい総合エネルギー政策と環境政策のこれからの展開方向を示唆するものとして見落とせない。