新日石、減損会計を早期適用

摘要

新日本石油は3月26日、固定資産の減損会計を2004年3月期から1年半先取りして適用すると発表、業績予想を下方修正した。 減損会計は企業が保有する遊休資産や土地の価値が簿価を著しく下回った場合に差額を損失計上する会計基準。2005年10月からすべての上場企業に適用が義務づけられる。新日石は含み損のある土地など簿価を30％程度下回るものを目安に損失額を厳しく算出しており、当期の減損損失見込み額は単体では1,155億円、連結では1,700億円に及ぶ。この結果、2004年3月期の最終損益予想は、単体では1,280億円、連結では1,360億円の赤字に転落する。 記者会見に臨hだ渡文明社長は「過去の負の遺産を一掃し、スリム化した骨太のバランスシートを実現する」狙いを表明した。 減損評価抜きでは業績は改善しており、2005年3月未に終わる第2次中期経営計画の目標達成に狂いはない。 減損会計の前倒し適用は将来の競争力強化と業容拡大を睨hだ決断である。