電力自由化議論と石油企業の役割:発電における脱石油政策の見直しを

摘要

最初に考えておかなければならないことは、一般の消費者の常識とは異なって、電力の自由化を推進することは、必ずしも電気料金の低下につながるとは限らないことである。確かに、新規参入者の登場によって、ボイラー、発電機等の購入コスト削減への誘因（インセンティブ）が働き、電力需要家も電力購入にあたっての選択肢が増える。しかし、電力自由化が進hでいるドイツ、イタリアにおいては、電気料金は日本よりも高くなっている（図表1）。